時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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ここ数日、慌ただしく過ごした。 突然の兄貴との別れと 葬儀の疲れもあったのかもしれない。 朝を迎えていても起きられず まだ仕事も休みの飛羽は 気の済むままに睡眠を貪った。 ピンポーン。 ピンポンピンポンピンポーン。 ピンポンピンポンピンポン・・・ 何度も自宅の方のインターホンが鳴っても 気が付かないフリをして無視を通した。 もう誰にも気を遣わないでいい。 気を遣う相手が誰もいないんだもん。 しつこいぐらいに呼び鈴を鳴らされたが 一切無視しているうちに 相手が諦めたのが先か 飛羽が再び寝に入ったのが先だったのか。 とりあえずしつこい来訪者との戦いに 飛羽は勝てたようだ。 相手は勝負をしているつもりもなかっただろうけど。
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