時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「うっほほぉーい」 「サルか」 「それを言うならオランウータン」 「似たようなもんだろ」 飛羽の秘密道具を貸してやると 形の揃った皮が積み上がって行く。 楽しんでる様子が見てても伝わる。 自分も子供の頃そうだったから。 父さんや兄貴と同じように 店に出せる皮が作れてると思うと嬉しくて 夜遅くまで仕込みを手伝ってたものだ。 「さて、それが終わったら帰ってよ」 「帰らないよ。 今夜はもう1度餡も作るんだから」 「・・・・・・・・」 楽しんでくれたのは良かったと思うが 夜中(よじゅう)やらなくてもよくないかい? 「明日にしなよ。 明日なら私もまだ休みだし。 手続きも全部終わらせたから家にいるし」 「やだ。まだやる」 「子供かよ!」 不貞腐れてほっぺまで膨らましている。 柊理は飛羽を子ども扱いするが 自分の方が子供っぽいじゃねえか!
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