1966人が本棚に入れています
本棚に追加
/1668ページ
まったくの静寂。
無が街を飲みこんでいる。
丑三つ時。
都会の午前2時から3時では
街は眠らないだろうけど
ここら辺はすべてが寝に入っていた。
真っ暗な玄関に立った柊理は
今朝渡された鍵を使って玄関を入ると
2階へと視線を向けた。
「起きてねえな・・・」
古い玄関扉だから
開ける時に結構音が響いてしまい
肝を冷やしたが・・・
2階は起きた様子はなかった。
つま先だけで階段を上がって行くのに
ぎしっぎしっと板が鳴ってしまう。
大丈夫だ。
アイツは一度寝たら起きない。
ちょっとやそっとの騒音では屁でもない。
飛羽の部屋の前に立つと
扉に耳を押し当てた。
よし。寝てる。
アイツの寝息を耳に入れ
安心して隣の飛鳥の部屋の扉を開けた。
最初のコメントを投稿しよう!