時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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柊理の両腕の中で包まれて 胸に抱かれている飛羽は・・・・ も、もの凄く・・・ 拷問に近いものが・・・・ バクバク・・バクバク・・・ 飛羽の心臓、朝からよく働かされ 過剰すぎるほどに活発に動いているってのに トクントクン・・・トクントクン・・・ 柊理の鼓動は規則正しく動いているのが 胸に頬を付けてる飛羽にも伝わってくる。 自分だけみっともなく狼狽える姿 もの凄く滑稽だ、と気が付いた。 何も狼狽えることはないんだ。 柊理は飛羽を妹としか見ていない。 亡くなった兄貴の代りに 独りになった飛羽の世話をしているだけ。 こんな状態でも冷静で寝てるし 妹と一緒に寝ている感覚なんだ。 バカらし・・・ ひとりでバタバタと狼狽えてるのが アホらしくなってきて 「スー・・・・スー・・・・」 柊理の寝息に誘引されて 飛羽も柊理に抱かれながら眠った。
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