時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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週明け、月曜日。 「いろいろとご迷惑をおかけしました。 葬儀の際もお気遣いいただきまして ありがとうございます」 飛羽は会社に出勤後 すぐに上司の元を訪れ、挨拶をした。 「当分は慌ただしいだろう。 仕事のことは気にしないでいいからな」 「ありがとうございます。 では仕事に戻ります」 部長室の応接ソファーに座っていた飛羽は 立ち上がって頭を下げてから 自分のデスクに戻った。 柳葉建設総務課秘書室。 ここが飛羽の働く部署。 上役に引っ付く秘書ではなく 内勤専門の秘書室で働く小間使い的存在。 やることは細々とたくさんあるけど 定時に仕事が終わって帰れるのがありがたい。 今回のように突然休暇を貰う時も 気兼ねしないで規定通りもらえたのも助かった。
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