時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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お昼を過ぎると 睡眠欲求よりも食欲が(まさ)った。 自分のお腹の方が さっきの呼び鈴よりもしつこいぞ。 お腹を満たしてあげると やることは山とあるのだが 気分が乗らずにボーっと過ごしていると 会うのは久しぶりの友達が 兄貴の訃報を聞いて訊ねて来てくれた。 「ありがとうね、遼クン。 ニューヨークに行ってたんでしょ?」 「来るのは当たり前だろ。 俺だって兄ちゃんには世話になったんだし。 それよりも葬儀に出れなくて悪かったな」 「ううん。満里恵もずっといてくれたし。 大丈夫だったよ」 訊ねて来てくれたのは 飛羽と満里恵の高校の時からの同級生。 同じクラスで、グループで何かするときは いつも一緒に組んで授業を受けていたことで 卒業してからも付き合いが続いている。
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