時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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お昼休憩が終わって部署に戻ると 交代で中丸課長がお昼へと出かけた。 内勤で仕事をするのは 飛羽と中丸課長の2人だけ。 他の秘書の皆さんは 直属の上司と一緒に行動を共にするか 直接配属されている部署に出勤してしまう。 朝、出勤した時に顔を見なかったら その日は顔を見ないで過ごすことが多い。 秘書が付くのは常務以上の肩書がある人。 各部署の部長にも1人就いているが 個人に就いているわけではなく 部署に就いていることになる。 従って秘書室で仕事を常にしているのが 飛羽と中丸課長の2人っきりだけだった。 「お疲れ様ぁー」 「あ、北条さんお疲れ様です」 独りっきりワークタイム中に 副社長付き秘書の北条さんが入って来た。 瞬間、だらけていた飛羽の態度が シャキーンと背筋も伸びた。
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