時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「あれ?中丸君は?」 「あ、ただいまお昼に出てます」 たいして広くない部署を 隈なく視線を向けているのは北条さん。 以前は別の会社で営業をされてたのを 久住副社長がヘッドハンティングして ご自分の秘書として連れて来たそう。 ちなみに課長のことを君付けするのは 北条さんの方が課長よりも年上だから。 「そっか。なら邪魔しちゃ悪いわね」 「いいんじゃないですか? 来たのに連絡を入れないとうるさいし」 「あはっ!飛羽ちゃんも言うわねぇー」 明け透けない態度で 上司を敬う気持ちもない飛羽を笑ってる。 飛羽も一緒になって笑っちゃった。 「まあいいわ。 副社長は会議中だし。待ってるわ」 そう言ってだれが使ってもいい 何も置いていないデスクに向かって行った。
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