時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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曽根さんも課長を待つつもりなのか。 さっきの誰でもデスクに腰掛けた。 この席、飛羽の正面。 従ってパソコン越しに座られると 目の前に壁ができた感覚。 「曽根さんがそこに座ると 日光が遮られるんですけど」 「いいじゃねえか。日焼けが防げて」 「日焼けする季節じゃないですよ。 日が当たらないと寒いです」 「うるせえ奴だなぁー」 先輩だろうが堂々と言い切る後輩、飛羽。 ポンポンと会話が進むのが楽しいが 言われる曽根さんはどう思ってるのか。 本気で嫌がってはいないようだ。 嫌がっていれば怒るだろうし 近寄っても来ないだろう。 曽根さんから近寄って来るし 話しかけてくるから嫌われてはいないようだ。 あれだな。 近寄ってくる女子はウザったいのかも。 飛羽が曽根さんに変な恋情を持ってない事を この人も気が付いているんだ。
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