時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「遼クンのスーツ姿も様になって来たね」 「そうか?やっと鏡を見ずに ネクタイが結べるようになったな」 そう言いながら クイッとネクタイの結び目を緩めるしぐさは やはりサラリーマンの姿の象徴だな。 遼クンは視線を家の中を彷徨わせたあと 飛羽と視線を合わせた。 「店はどうするんだ?」 「どうにもこうにも・・・。 私は店のことは何も知らないし。 餃子のレシピは一応あるんだけど 私が作ったのじゃあ売れないだろうね」 店のことはすべて兄任せだったことで 飛羽には続けていくことは無理。 選択肢にも上らないし 周りもそれを期待をしていない。 「閉めるしかないだろうね」 「そっか・・・。残念だな」 心からの言葉だとわかると 傷心した飛羽の心を温かくしてくれた。
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