時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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「そう言えば明日っから海外ですね。 たしか・・・一番最初がシンガポールで 次がオーストラリアでしたっけ?」 今朝がた予定表を確認したばかりだ。 見なくてもスラスラと行き先が出て来た。 「ああ。戻ってくるのは1週間後だな」 「お土産、よろしくです」 「おう。コアラの糞でも持って帰ってやるよ」 「要らないですよ」 「バカやろ、ありがたがれ」 「検疫で引っかかりやがれ」 「ぶはっ!あははは」 本音をぶつけたら大笑いされた。 「楽しそうですね」 笑顔で戻って来た中丸課長は 曽根さんの笑う顔を見て話しかけて来た。 「こいつと話してると癒されますね。 気を遣わないでいいのが楽っすよ」 「ははは。そうだな」 癒されてる証拠なのか。 課長相手にも曽根さんの口調が崩れてた。
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