時東《ときとう》飛羽《とわ》編

72/313
前へ
/1668ページ
次へ
最寄り駅で降りて タッタッタッタと小気味よい駆け足で帰宅すると 「・・・・・・・・」 誰もいなくなったはずの自宅に 家の灯りが・・・ 真っ暗な中に帰って行くのと 明るく照らされた家に帰るのとでは 後者の方がいいに決まってる。 だけどアイツは飛羽の家族じゃない。 なんでここに住むことに拘るのか 未だに理解できないんだけど、でも・・・ 「ただいまぁー!」 柊理が待つ家の中に 元気な声で入って行った。 「おかえりぃー飛羽」 バタバタとスリッパの音を響かせて エプロン姿の柊理が出迎えに来る。 「お疲れ様、飛羽」 「母ちゃん、腹減った」 「今日は飛羽の好きなロールキャベツよぉ」 「やった!トマト味?」 「もちろん」 「・・・・・・・餃子は?」 「もっちろんろん!」 「・・・・・・・ちっ」 今日も味見させられるのかよ・・・ はしゃいでいた飛羽が大人しくなった。
/1668ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1966人が本棚に入れています
本棚に追加