時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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兄貴がいなくなった生活が だいぶ落ち着きを取り戻したなと感じたころ 「時東クン!ちょっといいかい?」 「あ、はい」 社長室に呼ばれていた中丸課長が戻り 自席に戻りながら、飛羽は呼ばれた。 「なんでしょ?」 「キミ、パスポートは?」 「へ?・・・・持ってますけど」 「じゃあ明日の朝の便で オーストラリアに行ってくれるか?」 「無料(ただ)で?」 「・・・・・・・・ぶっは!」 仕事で呼ばれてるくせに 無料(ただ)で旅行に行こうとしたら笑われた。 笑いの収まった課長が説明を始めるのを 聞いた飛羽は 「曽根さんがケガですか?」 「ああ。現地で強盗に襲われたらしい。 常務を庇って銃で腕を撃たれたって」 「ほぇー!かっけぇー」 「・・・・・・」 驚いたけど正直な感想をつぶやいちゃった。 でも銃って・・・・ そんでもって強盗って・・・・ そこに飛羽が行くの?
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