時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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よくよく詳しい説明を訊けば 襲われたのはシンガポールだって。 襲われたけど大けがではないし そのまま視察を続けていたけど 「利き手の右手を負傷しちゃったから 仕事に支障が出ちゃってるらしい」 「それを私が補佐すればいいんですか?」 「ああ。曽根と一緒に 常務の視察に同行してやってくれ」 「そんな理由なら、らじゃ!」 「・・・・・・・・」 敬礼付きで満面の笑顔も添えた。 課長、顔が引きつってたけど。 こいつで大丈夫か? そんな心境にでもなったのだろう。 どう思われようが、海外旅行だ。 旅行じゃなくて仕事だけど 曽根さんの補佐だから重要な立場じゃないし。 言われたことをこなしていればいいだけ。 だったら旅行と同じようなもんだい!
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