時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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ダダダダダッと慌ただしく帰宅をすると 「ただいまー!柊理ー柊理ー!」 「はいはい、おかえり飛羽」 いつもよりも早い帰宅の時間に帰ると 柊理は店の厨房の方にいた。 なあに?って顔をしながら 厨房の戸口から顔を出した。 よく見ると手は粉だらけ。 今日も飽きずに餃子の皮を試作してる。 「あたしね!あたしねっ!」 「落ち着けって。 鼻の孔、全開だぞ」 超興奮状態で話し始めると 粉のついた指で鼻の頭を押された。 「へへ・・・。私、明日っから出張行って来る」 「明日?ずいぶんと急だな・・・」 「うん。突発的な事情で呼ばれたの。 オーストラリアに3泊4日で行けるんだぁー」 「そんなにはしゃいじゃって、仕事だろ?」 「半分仕事。だって常務付きの秘書は ちゃんと曽根さんって言う人がいるもん。 私は曽根さんのアシスタントだから!」 「・・・・・・・・曽根?」 だいぶ端折った説明を聞かされた柊理。 怪訝そうな顔をされた。
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