時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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朝早い便に乗るために 昨日は慌てなくてもいいようにと 早めに帰宅をさせてもらったのに・・・ 「ぎゃー!遅れちゃーう!」 「だから早く飯を食えって起こしたろ」 「だってー!久しぶりに <朝だよ貝社員>やってたからー」 柊理に文句を言われながら 用意してもらった朝食を無理やり流し込んだ。 「んじゃ行って来るー」 「おう。忘れ物はないな?」 「だーじょーぶぃー!」 玄関に用意されていたヒールを履き 昨日のうちに用意したスーツケースを引き摺り 「さあ行くぞ!」 自分に喝を入れて歩き出そうとしたとき 出鼻をくじかれた。 「飛羽!パスポート入れてねえぞ!」 「あれ?入れてなかったっけ?」 玄関から飛羽のパスポートを高く掲げ 柊理が飛び出してきた。
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