1966人が本棚に入れています
本棚に追加
「バカたれ」
「痛っ!もうー、行ってくる」
「もう忘れ物はないな?
もう一度たしか・・・」
「もう大丈夫!間に合わない!」
心配する柊理を置いたまま
飛羽は駅に向かって走った。
頑張れよぉー!と
後ろから大声で叫ばれて
了解と振り向かずに手を振って応えた。
慣れない海外出張と言うことで
柊理が選んだ靴はヒールの高くないパンプス。
おかげで駅まで猛ダッシュができた。
予定の時間の電車が到着するまで
少しだけ余裕がありそう。
ハァハァと荒い呼吸を整えるために
改札を通る前に端に寄った。
態勢を整えてから中に入ろうと
化粧品会社のポスターに向かって
深呼吸を繰り返していると
「あなたがトワね?」
「・・・・・・・へ?」
ぶっきら棒に声をかけられた。
最初のコメントを投稿しよう!