時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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日本との時差が1時間。 オーストラリアのケアンズに着いた。 朝早く日本を出たため 現地時間でまだお昼過ぎごろに無事到着。 「ご苦労さん、時東さん」 「お疲れ様です、九十九常務。 曽根さんも災難でしたね」 「災難って言いながらニヤつくな。 軽くムカつく」 飛羽のために 空港までお2人が迎えに来てくれた。 気分を入れ替えて オーストラリアに着いた瞬間 あの女のことを記憶から消した。 思い出しただけで腹が立ってくるし。 「再会の微笑じゃないですか。 決してあざけ笑ったわけではないです」 「ウソつけ!」 曽根さんを揶揄うことで 気分を切り替えていると 秘書同士の会話を聞いて 九十九常務が笑ってる。 重役の前だって怯まず 堂々と先輩をこき下ろす飛羽は 結構おじさん世代の常務に可愛がられた。
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