時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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飛羽と遼クンが 訊ねて来た男性を不思議顔で見上げると 相手もこっちを訝し気に見ている。 こっちというよりも 遼クンのことを見ているようにも見える。 「あのー・・・。どちら様で」 飛羽は玄関の上がり(かまち)で声をかけた。 遼クンは扉のノブを手に持ったまま。 不審者だったらすぐに閉められるように 相手の態度によってはすぐ対処できる体勢でいる。 「お前・・・・・飛羽か?」 男は目の前の遼クンを見やったあと 飛羽に視線を向けて話しかけた。 「飛羽・・・ですけど」 「・・・・・・・」 自分のことを知っているようだが 飛羽も男のことを知ってる。 昨日の街中でイチャつくカップルの 男の方だってことは 玄関開けてすぐに気が付いていた。 遼クンが飛羽を見て来る。 知ってるやつか? 目でそう話しかけている様に感じたから ううん、と首を左右に振って応えた。
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