時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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到着した建設現場でヘルメットをかぶるが 女性用のがなかったのか、バカでかい。 「お前は頭がちっちぇえなぁ。 脳みそが入ってねえからだな」 「入ってますよー。 外人用のメットはデカすぎなんですよ」 ヘルメットに日本人用と外人用があるのか。 あるわけないがそう理屈をつけて反論すると 「ほら、ヘルメットの中に タオルを入れてかぶったらいいよ」 「すみません、常務」 常務が真新しいタオルをビニールから剥がし 飛羽のヘルメットの内の部分に押し込んでくれた。 「常務は優しいなぁー。 部署の先輩なんてバカにするしか・・」 「バカ野郎!常務の手を煩わせるな」 「あはは、まあ行こうよ」 「はっ」 「お前ねぇ・・・・」 あははは、と常務が楽しそうに笑いながら すでに外観が出来上がりつつある建物の中に入った。
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