時東《ときとう》飛羽《とわ》編

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まだ内装工事が始まったばかりで なぁーんにもない。 現地で働く現場監督が説明するが 同じ日本人なので通訳はいらない。 利き手が使えない曽根さんの代りに 飛羽がタブレットを使って 内装の細かい点を箇条書きして記録した。 この商業ビルの地下は 地下鉄のホームに直接行けると言う。 ビルの横には新たに 駅ビルが建設される予定もある。 ここら辺一帯が大規模開発地帯となる。 「ほぇー・・・すっごいですねぇ」 「まあな。ここ一帯に街ができる感覚だな」 建物から出て来て 建築中の他の建物に目を向けてると 飛羽の隣に曽根さんも立った。 「ケアンズで日本の技術が活躍できて 日本各地の建設会社が入ってますね」 「こっちは治安もいいし 安心して派遣できるんだろ」 ここはオーストラリアのはずなのに あちこちで日本語が聞こえてくるから不思議だ。
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