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営業時間よりも早く
常連たちは店の暖簾をくぐってくる。
「おいおい。もう始まってるのか?」
「いらっしゃい、おんじ。
まだ始まってないんだけど、ね」
海は苦笑してビールを飲む関口たちを見た。
有賀と一緒にやってきて
そこに佳恵もやってきたことで
勝手に酒を飲み始めてしまった。
料理もすでに準備万端。
あとは客が来るのを待つだけなのを見たら
すぐに始めたくなって当然の事だったか。
「おんじも早く!乾杯しよ」
「おー!佳恵じゃねえか。
久しいなぁ。おめえ、男はどうした」
「はいはい!うるさい爺に酒を!
早く口を塞いでしまいなさい!」
大晦日に一人で海に会いに来たってことは
今年も彼氏ができていないとの推察は
おんじの孫のエミリにもできただろう。
佳恵のふくれっ面を肴に
今日何度目かの乾杯が行われた。
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