エピローグ

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エピローグ

 わたしの一番特別な綺麗はわたしを忘れない。  それはわたしが遠い遠い昔に願った一番大切な願い。彼と共に願い叶えた永遠の誓い。  いつか彼と出会う時、わたしはわたしの一番大切な綺麗を愛おしく抱きしめる。  彼の横で遍く愛するこの世界を見つめる日はいつだって訪れる。訪れないなんてことはあり得ない。わたしたちが願う限り。  帰ることを拒んだわたしに彼は微笑みをくれた。  永遠の微笑みとして今もあり続けるわたしの一番大切な綺麗。  わたしの綺麗は六つある。  いつかわたしたちは必ず出会う。  そうあるように願う彼らにわたしは名前をあげた。  宿運は狂うことない。  狂わないから宿運なのだろう。  例えば順番が違えても、いつかは同じ輪となり時は流れる。繰り返される。  繰り返されることをわたしたちは望み続けている。  焦がれ続けるこの宿命はわたしたちにとっての至福であり、共にあることを常に喜びとして分け与えることがわたしに課せられた彼らへの祝福。  隣で微笑むわたしの一番綺麗な彼へわたしが祝福を捧げると、彼はわたしへ最も愛しい言葉と仕草を持って美しい世界を見せてくれる。  それがわたしの最上級の喜びで、美しさに満ちた世界は一層輝く。  わたしはこの世界が遍く好きだ。愛おしい。  わたしの一番特別な綺麗に身を寄せて見渡す世界はいつだって美しい。  夏は終焉と始まりを齎したから、わたしたちの特別はいつだってそこにある。   巡る度に訪れる季節は、潜む恐怖よりも喜びが常に勝るから、わたしたちは夏を愛する。  そうしてわたしたちはまた出会う。  終わりを望まないわたしと彼は出会い続ける。  世界に広がる遍く希望を見つめては恋しさを募らせて、いつか寄り添い、ただただ只管に互いを見つめる。 《完》
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