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「アイツと君が組んでやってってくれないとな、次の副都心開発の件もあるし。指導が細かいからアレにつき合うと多少窮屈なところもあるが。」
「そうですね...」
少し近づいた眼鏡の下の目と僕の目が合った。口元が悪巧みをする子供のように笑っていた。
「アイツの秘密、教えてやろう。ドMなんだよ。」
「え?」
顔を寄せて小声で伝えてきた。
「アイツのな...」
その次に続いた言葉に恥ずかしくなり、僕は自分の顔が熱くなるのを感じた。
下品なジョークだった。個人の性の趣向に対するセンシティブな。
でも、この人が言うと悪趣味なジョークさえ、僕の密かな興奮を煽った。
「課長、なんでそんなこと知ってるんですか?」
「さぁ、なんでだろうね?なんてまぁ、弱み知ってると付き合いやすいだろ、聞いたことは内緒で頼むよ。うまく使って手なづけてもいいさ。歳もそんなに変わんないだろ、君は決して彼に引けは取らない。近い内、抜けるかもしれない。」
「そんな...僕は悪どくなれません...」
「そうか?君ぐらいキレイなイケメン君にいびられたらアイツ、なびくかもしれないぞ?」
「やめて下さいよ、僕はそっち側の趣味は...」
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