1人目

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「あそこの扉の中を、見てみよう。」 人差し指で指した場所は、黒板の左横にある奥の部屋だった。 扉の前に着くと、この部屋には少し埃臭さと、物置と同じ匂いが漂っている。 ガッ、ガチャと鈍い音と共に、扉は開いた。 部屋の中には、使われてない危険な薬品ばかりが、隙間なく棚に並べらている。 中には、死んだ生物を瓶に詰め込んだのもあった。 下には実験結果や、化合式などが書いてある。 ファイルや本が山の様に、散らばっている。 「うわぁ、凄い散らかってるよ!」 腕で口を抑えなければ、居られない程だった。 視界が悪い中、人影が見えた霊子は、体を即座に後退した。 気の強い瑠璃は、人影の前に行き「これ人体模型だよ。」 「人かと思って驚きました。」 ニヤニヤとずる賢い顔をして「霊子は、怖がりだねー!」 よくよく見ると、霊子にしがみつき、ブルブルと震えている波がいた。 開いた口が、塞がらないといった感じで「何やってんの?」 霊子の背中から、半分くらい顔を出して言いづらそうにしている。 「だって、人だと思ったんだもん!さっきの今で、怖い話してたから幽霊かと思って 。」 そんな話を、していると予鈴が鳴った。 「もうこんな時間?」 「結構、話してたからね。」 「じゃあ、この続きは放課後にしよう。」 「すみません。私が話長かったから。」 霊子に気にしないでという意味で、明るく答えた。 「教室に戻ろっか!」
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