1人目

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京子はさっきの今で、この開かずの間に興味を持った事に、悍ましさを感じてた。 どこの学校も、七不思議なら何処にでもある。 噂が1人歩きする事は、何ら珍しくはない。 大抵は他の生徒を驚かす目的で噂を流し、それが繰り返され、いつしか誰が言い出したかわからなくなり、話だけが学校を漂うのが現状だ。 しかし、この先の向こうは明らかに噂だけではなく、地獄とこの扉は繋がってても、納得してしまう程の異質な物だった。 皆が楽しむのは何処かドッキリ感覚で、本当に遺体や幽霊が出たとしたら、悲鳴をあげるか真っ先に逃げ出すだろう。 だが、霊子には全くの逆だった。 その笑みには、狂気が隠されていると思う時が京子にはあった。 友達を疑う気持ちは、あまりいいもんじゃない。 押し殺してた心が、横にいる霊子を見て再び、抑えてた疑問が蘇ったのだ。 「こ、ここは、曰く付きの部屋だから、あまり詮索しない方が良いよ!」 言葉が上手く出せない。 「そうですか。残念です。」 波は京子の様子が、いつもみたいに元気がない事に気づき、顔を覗き込んだ。 「京子?」 前方にいる里奈や瑠璃は、霊子と話していて気づかない。 「私達、ちょっとトイレに行ってくるね!」 波がさりげなく言った。 瑠璃達は、後ろを振り返りながら返事をした。 「うん、わかった。私達は此処にいるね。」 トイレに入り、尋ねた。 「どうしたの?京子、何かあった?」 背を丸くし少し怯えたのか、縮こまりながら言った。 「霊子って、何者なの?」 波には、言葉の意味がわからなかった。 「どうゆう意味?」 手が小刻みに震えていた。 「音楽室の時、何も感じなかったの?」 自分も感じていた。 言って良いのかわからなかったが、京子にだけは言う事にした。 「あの、悲しい演奏が不気味だった事?」 大きく何回も頷いた。
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