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里奈の言葉で自分の考えに、変化しつつあった。
「まー、確かにそうなんだけどさ、内らだけじゃ助けになるのかな?」
机に手を叩きつけた。
怒り気味の様子だ。
「私達が、諦めてどうするの?」
「里奈とは小さい頃から一緒だから、弱音を吐いちゃった。」
誤魔化すつもりで、笑顔を向けた。
乗り切るつもりで作り笑いを作った。
呆れたように、息を大きく吐いた。
「まーた、作り笑顔になってるよ?私の前にいる時は辞めい!」
手を指先まで真っ直ぐ伸ばし、瑠璃の頭にポンと置くかのように振り下ろした。
笑いを誘うように、冗談交じりに言った。
2人は、物心ついた頃からの友達だった。
最初の出会いはある意味最悪で、里奈は勉強や文化系があまり不得意に対し、瑠璃は勉学は学年で1位になる程だが、運動はからっきしで逆に里奈は運動は男子より出来た。
だからいつも喧嘩ばかりを繰り返し、次第に気がつけば親友という名の、かけがえのない者になっていた。
だから時々、お互いの気持ちを口に出さなくても、分かる事があるほどだ。
特に里奈は友達は多い方だけど、自分から声をかけるのは瑠璃ぐらいだった。
里奈から声をかけるのは多分、瑠璃以外初めてのことだった。
何が声をかけさせたのか、事実を追求するように霊子の様子を伺った。
里奈との会話を見て、直ぐにわかった。
自分がどれだけ辛く哀しくても、他人に悟られないように笑顔で毎日を乗り切る性格で、里奈と同じタイプだった。
里奈にとって初めて、自分と似た志を持った人間だった。
今まで生きて来てそれは、自分を苦しませるだけで何の救いにはならなかった。
いっそう京子みたいに、何でも口に出来る性格なら、どれだけ楽だっただろう。
それでも口に出来なかったのは、里奈の周りには瑠璃以外、誰も必要としてくれなく感じた。
特別誰かに、虐められた訳でもない。
父の裏切りは、他人もこうなんだろうと思わされてしまった。
何より悲しんでいる母に、自分まで悲観に暮れたら捨てられるかと思った。
だからいつも誰とでも距離を置き、人と深く関わらず笑顔でいれば、良いと自然と心得た。
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