1人目

19/48
前へ
/137ページ
次へ
そんな里奈が転校生とは言え、瑠璃以外に慕う事は初めてだった。 瑠璃には友達が出来ると言うよりも、姉妹が現れた心境だ。 それと同時に、寂しさも感じた。 今まで自分しかいなかったのに、霊子と里奈の方が仲良く見えた。 寂しさを紛らわすために、仲立ちに入った。 里奈の気持ちを確かめたくて、霊子に近づいた。 だけど、理由を知らない霊子は笑顔で受け入れてくれた。 その瞬間、自分の醜さと汚さにに吐き気がした。 理由を知ったら、霊子はどうするんだろう?そんな事を沸沸と気持ちが高ぶった。 でも、私には告白する勇気さえない。 だけど、そんな心配は初めから要らなかった。 霊子と関わる内に薄汚れた思いは、最初からなかったかのように自然と消えた。 それが、友達と言う事なんだろうか。 今は只少しでも、霊子の力になりたいと思った。
/137ページ

最初のコメントを投稿しよう!

313人が本棚に入れています
本棚に追加