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右側にいた少年はストレートヘアーで、前髪を七三分けに分けており、体格は細身で、顔立ちはどちらかと言うと男前な感じで気さくなく話掛けてきた。
「霊子ちゃん。俺は木村友希よろしく。」
「あ!俺が先って言ったろ!」
左側の少年は体格がしっかりしていて、タイプ的に整っている顔立ちではない。
友希の体を体当たりする様に押しのけ、霊子の顔を見て笑い掛けた。
「白川正木、宜しく。字は正しいに木は植物の木って書いて正木!」
押し返し話に口を挟み込んだ。
「そこまで聞いてないから!」
霊子はクスっと微笑み、また友達が増えた事に嬉しさがあった。
霊子の笑いに2人はどちらに笑ったのか?はたまた2人を指したのか?どちらにせよ、自分達に向けられた顔はにっこりしたものだった。
美人の顔にへらへらしてる2人に、瑠璃が蝿でも追っ払うかの様に冷めた目で見つめた。
「しっしっ、あっち行った!」
霊子の手を取り、みんなの場所まで誘導しながら引っ張っていった。
京子と波が互いに目を合わせ、いつも通り接しようと暗黙の合図を送りあった。
「あいつら、ナンパなら他所でやれよ!」
里奈は柔らかく言った。
「他所で、ナンパ出来ないから学校でやるんじゃない?」
「まー、内の男子は良いのいないよねー!」
京子の発言に一瞬の沈黙があったが、波が上手く話をすり替えた。
「そう言えば、今日体育の授業あるよ!」
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