1人目

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男子は教室、女子は教室から出て職員室側の廊下を10m程歩くと更衣室があり、そこで着替える。 着替えを終え、全身赤い上下のジャージ姿で体育館に向かう。 授業の始まる10分前に着いた。 だが、まだ霊子達以外誰もいない。 静寂な体育館は霊子達を包み込み、二度と帰る事の出来ないと思わせる。 轟音が、無音な空間に大音を響かせ、入って来る茶髪の少女。 「あれ!瑠璃達だけ?」 茶髪の少女に瑠璃達の目がいく。 ゆっくりと歩き近づいて行く。 「そうだけど、春香1人?」 手を腰にかけ肩を落とし、少し気だるそうに答えた。 「うん。私最後に教室を出たけど、まだみんな来てないんだ。」 教室を間違えたように戸惑いを見せる。 「次の授業体育だよね?」 会話に加わる里奈。 霊子の目線が春香から里奈に変わる。 「私朝授業を確認したけど、1時間目は体育であってますよ。」 すると、友希と正木が呼びに来た。 「もしやと思って来てみたけど、やっぱり体育館にいたか!」 「友希の言った通りだな。」 友希は正木を見て、互いに目を合わせ得意げに笑う。 「次の授業はグランドって、前回言ってだだろう。」 「そうだった。」 来てくれた友希と正木を置いていき、春香は走ってグランドまで駆け抜けていく。 瑠璃達は恥ずかしさを誤魔化す為、直ぐには出て行かなかった。 「じゃあ、先に行ってるぞ。」 「後でねー、死死森さん。」 正木は、霊子に手を大げさに振り去っていく2人。 友希達の姿が見えなくなってから、グランドに向かった。 京子は波の耳元に小さく囁いた。 「只の勘違いで良かったね。」 波は後ろ姿の霊子を、じっと見ながら呟いた。 「そうだね。」
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