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昼食を食べ終わると、朝に約束していた学校の案内をしてもらう事に。
1番最初の友達の里奈が、声をかけた。
「じゃあ、行こっか。」
「はい。お願いします。」
廊下に出ると、長く薄暗い空間が押し寄せる。
普通なら不気味がり、トイレに1人で行けない人がいても不思議ではないぐらい、重苦しい雰囲気で溢れていた。
霊子は、恐る気持ちはなくどこか嬉しさと高揚感と安心感の3つの感情が押し寄せて、口元が緩み、ニヤっとしてしまい、その姿を右隣で見ていた里奈。
「霊子ちゃん!どうしたの?急にニヤついて。」
その問いに、始めて自分が笑っていた事に気がついた。
自分が何で笑っていたかわからなかったが、嫌われたくないという感情が真っ先に沸き立った。
「え!笑ってないよ。」と言って誤魔化した。
少し不思議そうにしていたが、あまり気にとめてなかった為、ほっとした気持ちとこの先の事が少し不安になりつつも記憶を呼び戻せば、この嫌な気持ちも拭えると自分の気持ちを押し殺した。
歩き出し始めて最初の場所は、隣のクラスだが、自分のクラスと明らかに離れていた。
クラスとクラスの間の壁は、明らかに修理工場をして壁を埋め込んだ跡があった。
京子が、切り出した。
「ここが隣のクラスだよ。誰もいないけどね。」
「何で誰も、居ないんですか?」
「うちの学校は、こんな山奥にあるから生徒が少ないじゃない?」
教室側の壁を見て、素朴な疑問が生まれた。
「そうなんですね。でも何で隣のクラスと内のクラスはこんなに離れてるんですか?」
その問いに、皆んなは答えずらそうにしていたが、波はそんな事を気にも留めず口を開いた。
「昔学校で悲惨ないじめを受けて、自殺した子がいたの、この壁の中の教室でクラスメートにまるで見せつけるように、首を吊って死んでいたそうよ。
それから良く幽霊が出るって噂になって、中には実際に霊を見た人が何人も出て来て、いつも決まって、かえして私の…かえしてって出るらしくてこの教室は封鎖それた。
でも、幽霊騒ぎが収まらなくて見かねた学校側は、教室を埋め込んだみたい。
可哀想よね。
いじめられて自殺して、それでも苦しくて教室に居ただけなのにその教室まで埋めてしまうんだから。」
悲しく切ない表情で、壁に手をかざした。
「そんな事が、あったんですね。
今も魂は、浮かばれていないんでしょうね。
自殺した子は女の子何ですか?」
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