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「よしっ!できた。」最後のネジをまわしながら、ボクはため息をついた。数日間ずっと、寝ずに頑張った。自分を褒めたい。
「あとはスイッチを入れるだけ...」これで、動かなかったら、さすがに心がおれると思う。
ピッ。
音と同時にロボットが動き出した。
「やったー!」これまでにない喜びを感じた。嬉しさで、思わず黒い翼を大きく広げてしまい、慌ててまた閉じる。
「ゴヨウケンヲイッテクダサイ」
ロボットのしゃべり方に思わず肩が落ちる。恐れていたことが起こった。こんなしゃべり方だと人間の世界へ行った時、真実の心を聞き出すどころか、相手にもされないだろう。
この計画を失敗するわけにはいかない。
神様を助けるためにボクは頑張らなくちゃいけないんだ!
最近人間は調子にのって自然なんか構わず破壊する。自然を守ろうとか言っている人間はたくさんいるけど、ほとんどが口だけだ。それが、どれだけ神様に影響を与えているか人間は知らない。
地球と神様は同じ。どちらも、繋がっている。
だから、人間が地球を汚染するたびに神様が苦しむ。だけど神様は醜い心を持っていないから、毎日痛みを我慢しながら、人間を信じ続けている。その姿はもう見たくない....。だから今日、人間を消す。このロボットを使って...真実の心を見つけ出す。そして、神様にその心を見せて、納得してもらい、人間を消してもらうのだ。
だから、失敗するわけにいかない。
ロボットをより人間らしくする手段はもちろんある。でも、ある危険性を引き起こしてしまう。
でも...やるしかない.....。
「嬉しい!怒ってる!悲しい!」ボクは一気に叫んだ。
「設定が完了しました。」たちまち、ロボットの口調がなめらかになる。
人間らしくする手段とは、ロボットに感情を教えることだ。この三つの感情を教えると、ロボットは人間に近づく。
「お前の指名は人間の心を覗くことだ」そう言うとともに、ボクは持っていた二つの魔法の石をロボットの目にはめた。
「かしこまりました、ご主人様」
ロボットは、ギシッギシッと音をたてながら人間の世界ヘ消えていった。
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