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「……何、見てるの?」
母が造った洋服を着て、母の愛情を一人占めして、長谷川先生までもを独占して……。
「何見てんのよ!?」
無表情でただ呆然と突っ立っている姿が、まるで私を見下しているようで腹立たしい。
私は立ち上がると、みーちゃんを思いっきり蹴飛ばした。
バラバラになった骨。
本当は踏みつけてやりたかったけれど、この部屋に僅でも欠片を残したくなくてグッと我慢する。
私はそのまま書斎を出ると、リビングから大きなスーパーの買い物袋を探し出し、バラバラになった骨を詰め込む。
そして何度かに別けて、玄関から外へと持ち出すと門の外に投げ捨てた。
“__良く姿は見えないけれど女性ね。あなたのことを、とても心配してるわ?”
「……何が心配よ」
“__彼女は、あなたを救いたいたいみたい”
「……何が救いたいよ。……全部、あんたのせいだ! あんたなんかいなければっ!」
今度こそ心置きなく、みーちゃんの骨を踏みつける。ジャリジャリと砕けていく姿に、心が少しだけ軽くなった。
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