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だって深怨は、私にとって温もり。親を知らない私が、初めて触れた母の温もりだった。
そして血のように固まることもなく、涙のように乾くこともない。娘への溢れ続ける母性……。
「……お母さん。長谷川先生」
そっと名前を呼ぶと、二人の頬にキスをしながら、手を強く握りしめる。
……この瞬間だけは、紛れもなく私のもの。
「……おやすみなさい 」
__そして母の深怨に抱かれながら、私はゆっくりと目を閉じた……。
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