エピローグ

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 __痛っ!?  足に激痛が走る。  驚いて目を開けたつもりが、どうやら開いてはいないようだ。  目の前には永遠に続く暗闇しかない。  まるで、母に閉じ込められたあの部屋のようだ……。と、そこで思い出す。  私はあの家で安らかな眠りについたはずなのに……。  __ここは何処なの? 「もう少し優しくやってあげなよ」  突然、近くから女性の声が聞こえた。  その瞬間、今度は逆の足に裂けるような痛みが走った。  __痛いっ! 「あーあ。包帯に肉がついちゃってるじゃない」  __包帯?肉?  意識がハッキリとするにつれて、身体の感覚を取り戻す。  全身からはジリジリと焼けるような鈍い痛みを感じる。  __痛いよ……。  側にいる女性に訴えようとしても、声が出ない。今度は手を伸ばそうとしてもピクリとも動かない。  まるで金縛りのように、身体だけが眠りから覚めていないようだ。
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