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「綺麗な字だねー。長谷川カズト先生は彼女無し独身だって。付き合っちゃえば?」
「相手は大人だよ? 私を相手にしたら、それはロリコンって言うんだよ」
「そうかな。でも、運命かもよ?」
ユウコから紙を奪い取ると、唇を尖らせながらそんなロマンチックなことを言い出す。
「何かで読んだんだけど、人は必要な時に必要な人と出会えるんだって」
「どういうこと?」
「だから、長谷川先生とミツハで例えると……」
例えないで欲しいと心の中で思いながらも、黙ってユウコの言葉に耳を傾ける。
「ミツハにとって、今このタイミングに長谷川先生は必要だということ」
「……それはない」
私はユウコの言葉を否定しながらも、どこかで否定しきれない自分がいた。
__長谷川カズト。
バラバラのパズルに、また一つピースが加わる。だけどそこには、私の探しているヒントが隠されているのかもしれない。
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