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「夢遊病の件は、試しにスマホのGPS機能を使ってみるとか」
「え?」
「行動履歴が見れるアプリがあるんだ。えっと……」
僕はスマホをポケットから取り出すと、アプリを調べてミツハに見せる。
するとすぐに、ミツハはそのアプリを自分のスマホにダウンロードした。
「とりあえず、それで様子を見てから病院に行くか決めよう」
「……はい。親しい人にはなかなか相談できなかったから、本当に助かりました……」
ミツハは胸の前で手を組みながら、ホッとした顔をしている。
「全然。たいしたこともできないけれど、こんなんで良かったらいつでも相談に乗るよ」
「……ありがとうございます」
ペコリと頭を下げると、切れ長の瞳はまだ何かを訴えていて僕は思わず口を開く。
「他に、話したいことはある?」
すると、やはり何かあるのかミツハは唇を噛み締めると、視線を一度下に落としてから、ゆっくりと僕を見つめた。
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