接触 《長谷川カズト》

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 カズミと交際していた半年間を、夢のような時間とまでは言わない。  だけど喧嘩して仲直りして、キスして抱き合って。  それは一人では知ることのできない、とても幸せな時間だったんだ。 「そんな彼女に、僕は嘘をついたことがある。あと、勇気がなくて葬儀にも出れなかったし。色々後悔してるんだ……」  一人苦笑する僕に、今まで黙っていたミツハが躊躇いがちに唇を開く。 「……でも、最期の言葉にありがとうを選んだってことは、それがカズミさんの気持ちの全てだったんだと私は思います」  と、言いながら、テーブルの下で手をモジモジとしている気配がした。ミツハなりに、気を遣ってくれているのだろう。 「ありがとう」 「あの……、教師になったのも何かその経験が関係してるんですか?」
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