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「もしもし」
「もしもし。若葉警察署ですが、こちら長谷川カズトさんの携帯でお間違いはありませんか?」
……警察?
間違い電話だと思っていた僕は、低い男性の声に動揺を隠せずにいた。
「え? あ、はい。そうですけど……」
「田口マサヤさんは、ご存知ですよね?」
しかしその名前を聞いた瞬間、溜め息が漏れた。
どうせまた、悪いことでもしたのだろう。そう思っていた。
「はい。高校の同級生ですが」
「実は田口さんがお亡くなりになられまして、通話履歴に長谷川さんの番号が残って__」
「ちょ、ちょっと待ってください」
……田口が死んだ?今、そう言ったよな?
「……い、いつ亡くなったんですか?どうして」
「すみません。詳しい話しは電話では……」
「……そうですよね」
言葉を濁す男性に、それもそうかと頷く。
しかしたった一週間程前に電話で話した人間が死ぬなんて……。
仲良い間柄ではなかったとは言え、気持ちがずしりと重くなる。
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