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「それで、長谷川さんには任意でお話をお聞かせ願いたいのですが」
「わかりました」
あれだけ関わりたくはないと思っていた相手だが、死んだとなると話しは別だ。
それも警察が僕に電話を掛けてくるということは、病気で家族に看取られながらなどという穏やかな死因ではないことが窺えた。
「ありがとうございます。では__」
それから、署に赴くのは僕の都合で良いということだったが、こういうのは出来るだけ早い方が良いと思い明日の夕方を指定した。
しかしその間も、僕の脳裏にはあの言葉がぐるぐると回っていた。
__幽霊が出た。
深い溜め息を吐き出しながら電話を切ると、暫くオレンジ色と紺色が混ざり合う空を見上げていた。
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