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二人が出ていった。
…
静寂に包まれる部屋。
いつも自分がいる部屋とはかけ離れたこの部屋は私には眩しすぎる位だ。
天井から吊ってある豪華な電気やフカフカな絨毯、高価そうなテーブルの上にはなんとなく見覚えのあるカラフルなお菓子。
きっとここにはお金持ちが住んでいるんだな、と思った。
面白そうだったのでもう少し部屋の中を見てみる。
沢山の本が積まれている机には山のような紙が。
窓は押して開くタイプの窓で私がいつも生活していた場所には無かった物が沢山あった。
大きな人の絵も飾られていた。ドレスを着た女の人だ。
私も着てみたいな、と思って見ていると突然部屋の扉が開いた。
バッと扉を見ると白いフリフリのエプロンの人が入ってきた。
その人は無言で持っていたトレーを私の前に置くと無言で出ていった。
私はしばらくの間唖然と閉まったままの扉を見つめていた。
ふと私の鼻に美味しそうな匂いが。
トレーの上には暖かそうなこ、こーなんだっけ?
え~と、こーん、コーンスープ。
最近彼が色々な物を見せてくれるからか、部屋にある物が何て言う名前でどのように使うのか、分かるようになってきた。
お腹が空いていた私は、まだスプーンを掴むのに慣れていない手で、震えながらコーンスープを口に運んだ。
…
とても美味しいコーンスープだった。
でも食べたら何だか眠くなってきた。
私は眠りに引き込まれるように自然と眠ってしまっていた。
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