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頭がだんだん働かなくなってきた時、
彼「大丈夫!?」
バン!と壊れそうなほど乱暴に扉を開け彼が部屋に走り込んできた。
私はもがきながら必死に彼に助けてと訴える。
もちろん、私は声がでないし水中で喋ると水が喉に入るから、水槽を力いっぱい叩くのが精一杯だった。
彼は私を見ると顔を青くして
彼「待ってて。今出してあげるから」
彼は水槽を開けられないか、蓋の鍵をガチャガチャしてくれているが、一向に開きそうにない水槽の蓋。
そろそろ私の息も限界だ。
彼「くそっ!」
彼はそう吐き捨てて、水槽以外何もない部屋を見渡し
彼「最初からこうするつもりだったのかよ!」
壁に掛けてあった額縁に入った絵を剥ぎ取り、私に言った。
彼「落ち着いて。今水槽壊すから少し向こうに離れてて」
彼が水の中の私にも聞こえるように大きな声でそう言った。
言われた通りに彼と反対側の水槽の壁による。
ガシャン!とガラスが割れて水槽の水が一気に溢れ絨毯を濡らしていった。
手首と足首についている鎖は水槽から外れたが、私についたままだった。
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