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今日もまたコンクリートだらけの冷たい場所で目が覚める。
何もすることの無い無機質な毎日。
どうしてこんな冷たい場所にいるの?
もう、忘れてしまった。
どの位ここにいるの?
それも覚えてない。
そもそも『ここ』はどこ?
分からない。
キミは誰なのか?
私は……
あれ?
どうしてだろう。名前が出てこない。
産まれてからずっと一緒に過ごしてきた名前なのに。
ズット?
うん。だって自己紹介とかテストとかで名前言ったり、書いたりするじゃん。
あれ?
てすと?
てすとって何だっけ?
あれ?
私は誰だっけ?何でここにいるんだっけ?
クスクス。出てこないんだね。ほらもう寝なよ。アタマを使ったから疲れるだろう?
ああ、うん。確かに疲れた?のかな?
ほら。何も考えないで。早くオヤスミ。
おやすみなさい…
陶器のように滑らかで白い肌。
上からだんだん白くなっていく艶やかな黒髪。
以前は綺麗だったはずの青い瞳も今はもうくすんでいる。
ぐったりと眠ってしまったその姿は糸の切れた人形のよう
変わり果てたその姿を見て僕は微笑んだ。
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