過去と過ち

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明日の準備が終わるとパソコンの電源を落とした 必要な物はカバンの中に入っている 時計の針は7時を指す所、遠慮なく今日は帰ろう カバンを担ぐと席を立った 「直樹も今帰り?」 聞き慣れた声に立ち止まる 会社を出た所で理沙と会った 「まっ、まぁな」 今は理沙とは出来れば会いたくなかった…そんな気持ちだ 「明日から会えなくて寂しいんじゃないの?」 「誰に?」 「言わなくても分かるでしょ?」 勿論相手が誰かは分かっている 「まぁ…な」 そう言った俺を理沙は不機嫌そうに見ていたが、その様子に俺は気づかなかった 「週末寂しかったら相手してあげるわ…けど、そうならないように気をつけてね」 そう言うと理沙は悪戯っぽく笑った 俺も笑いながら 「気をつけるよ」 と言うと手を振り、すぐ先の十字路を曲がり駅へ向かった
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