過去と過ち

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負けた訳でもなければ、見下された訳でもない…ただ、対等に話をされただけ それが気に入らなかった 俺の女な筈なのに取るなとも言えず、優位的な立場な筈なのに自分を大きく見せる事すら出来なかった むしゃくしゃとした行き場の無い思いは雪野への怒りに変わって行く 俺がどれだけ我慢して来たと思うんだ ずっと触れたくて、でも触れられなくて…耐えて来た なのに安安と他の男に…!! 全部雪野の性だ!!雪野があんな条件さえ出さなければ、ちゃんと俺の女になっていた 雪野の部屋へ向かう足が自然と速くなる 始めから大切になんてしなければよかった 俺の気持ちも何もかも裏切られたのだから ずっと…ずっと雪野を想い続けてきたこの気持ちも!! 雪野の部屋の前に立つとインターフォンも押さずにドアを開けた
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