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玄関に顔を出した雪野はいつもの様に笑顔を見せたが、俺の顔を見た瞬間体を強張らせ、怯えながら一歩下がった
怖いか…これが俺の正体だ
「どうした…の…」
「今の誰だよ!!」
雪野は言い訳でも考えているのだろうか?怯えた体を震わせながら右上を見ている
俺からすると、どうしたもこうしたもない
俺以外の男がここに居たのが許せない
「あっ…滝本君、会社の後輩で…」
その瞬間俺の怒りも何もかもが頂点に達した
何よりも許せなかったのは雪野の口からあいつの親しい呼び名が出て来た事
「俺としないとか言っておきながら他の男連れ込んでんじゃねぇよ!!」
溜まっていた感情も何もかもが爆発し、俺は雪野を壁へ閉じ込めた
雪野に逃げ場はない、あるのは壁と俺の腕
もう、何もためらいは無かった
「やらせろよ」
俺は雪野の首筋に舌を這わせようと牙を立てた
が…目の前にあるのは怯え固まった滑らかな肌
全く俺を受け入れようとしていない
違う、俺が欲しかったのは…
ゆっくりと顔を上げた先に見えたのは恐怖に耐えるだけの雪野の瞳
「もういい!!」
と言うと雪野から離れ、ドアを勢いよく閉めた
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