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溜まった欲求を吐き出せばスッキリする
そう思った
「また秘密が増えるわね」
そう言って理沙が妖艶に笑う
理沙にとっては秘密だろうが、俺にとってはどうでもいい
早いところ名前の無いこの気持ちを何処かへやりたくて理沙をソファーに倒した
手っ取り早くこじ開けようと理沙の敏感な部分に触れると
いつもの様に艶のある声を上げて体を仰け反らした
が、その瞬間…何とも言えない違和感が俺を襲い、急速に何もかも冷めてしまった
続きが無い事に気づくと理沙は目を開け不思議そうに俺を見た
「どうしたの」
こんな事は初めてだ
「今日は止めとく」
そう言って理沙から離れると
「分かったわ」
と、理沙は体を起こした
ソファーから立って乱れた服を直す
未だに苛立ちは治らない
「はぁ…」
ため息が漏れた
一つの結論に気づいてしまったからだ
違和感の正体もそれ
だからこそ気持ちが落ち着かない
「大丈夫?」
と、ソファーから理沙の声がする
「まぁ…な」
と返し、床に転がっていた鞄を取るとリビングを出た
「明日の出張頑張ってね」
と、後ろから理沙の声が聞こえ、俺は背を向けたまま手を振った
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