追憶と現実

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今日も変わらず多くの人がこの無駄にでかいビルに吸い込まれていく また、変わらない日常が始まる…そんな気持ちでエントランスを潜ると 「直樹」 後ろから慣れた声が聞こえて来た 「おはよう」 いつも通り特段笑顔でもなく無愛想でもない、すました態度で近づいて来た 「おはよう」 俺もいつも通り可もなく不可もない挨拶を交わす すらりと伸びた背丈、モデルのような体型な奴が俺の隣に並んでヒールの音を鳴らす 一橋 理沙 同期であり、昨日の相手だ 飲んだついでで関係を持ったのが始まりだが、それ以上迫って来ることもなければ、俺について詮索して来ることもない 丁度いい相手 おまけに、体の相性も悪くはない そう言う意味でも丁度いい相手 しつこい女は嫌いだ 何かと詮索して来ては、最後に 「私の事好きじゃないのでしょ?」 と、ヒステリーにキレ出す そりゃそうだ、初めから何とも思っていないのだから
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