~序章~

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そこには、両親が目を見開いて倒れていた。苦痛に満ちた顔、死にたくないという想いが伝わってくる。 身体は無残な姿になっていて腕も足も切断されていて見えてはいけない身体の一部なんかも見えた。 それを見て私はまた嘔吐した。何でお父さんとお母さんがこんな目に…… そこには黒服に身を包んだ人が立っていた。身長は大きくガタイもでかく見えた。手には、血がべっとりついていてポタポタと滴り落ちていた。 私はその姿を見て殺されると直感で思った。まさしくこれは恐怖、死にたくない、死にたくないと頭の中で何回も言った。 私は気づくと身体を動かして走って逃げた。 逃げて逃げて逃げて、走って逃げた。涙が止まらなかった。何も悪いことしてないのに何でこんなことが起こるの、何で…… そして私は冷たい地面に倒れていて漆黒の空から降る雪に身体全身降り注いだ。寒い…何でこうなったの。 私の中であの黒服の人が頭に浮かんだ。身長が大きくて威圧的な身体、両親の死体の傍で呑気に立っているあいつに。 そうだ。あいつがいなければこんなことにはならなかった。私の中で暗い何かが湧き上がってきた。 絶対殺す、暖かい家庭を潰したあいつに生きてる価値なんてない、絶対に殺す。 殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す     
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