国家戦争

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「ダメです。置いていかないで下さい」 詰んだ。 「あのー」 店員さんが声をかけてきた。 「そちらの方はエルフですよね?」 ? 「そうだけど…」 「やっぱりですか。当店は人間用の服を販売しているのでエルフの方が着れるような服はないと思われますが…」 それを聞いたレインの顔が曇る。 あ?これがエルフ差別か。 「何でだ?エルフは人間と体の構造は変わらない。人間が着れるものをエルフが着れない訳がない」 こういう意味で言っているのではないとわかってるが、わからない振りをして押し通す。 うちのパートナーのウキウキ気分を台無しにしておいてただで済むと思うなよ! いつか何らかの形で仕返しをしてやることを心に誓う。 それを見てレインも復活した。さっきよりもテンションは下がっているが、俺への{信頼}により何を言われてもいいって感じで落ち着いたらしい。 「どうだ。気に入ったのはあったか?」 「ありすぎて困っちゃいます」 「試着したらどうだ?」 「そうですね」 その後1時間にわたってレインのファッションショーが執り行われた。 どれも似合っていて甲乙付け難かったのだが、結局本人が気に入った3着を買った。 「疲れた…」 「女性の買い物に付き合える男のひとはモテますよ」 いいよそんなの…。     
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